Curve Magazine

私生活では大親友、レイシャ(アリス役)とエリン(ダナ役)のインタビュー。



TLWの1stシーズン終了後、我々は様々な疑問や期待を胸に、長い月日を過ごした。

マリーナのカフェ経営はどうなるのか。
飲み込みの早いシェーンは、危険な香りのする女性を忘れられたのか。
で、なぜジェニーはいっつもいっつも状況を飲み込めないのか。
そして、1番興味をひくのは・・・・
アリスは、親友のダナに真の愛を見出したのか否か、という事だ。

「2人の相性は、明らかにバッチリでしょ」
ダニエルズは言う。
「2人は時に喧嘩までする、親友だもの。
 それに、2人共Hしたくてたまらない!っていう気持ちがある。
 だけど、本当に行動に移すかどうかは疑問よね。
 もししくじったら、親友をなくしちゃうんだもん。」

TLWは史上初のレズビアンドラマだが、
"レズビアン"にあえて焦点を当てすぎなかった事が、
The L Wordを今日の成功に導いた、と言えるだろう。

「ストレートは、ゲイの生活は自分達のと異なると思ってる。
 全く一緒なのにさ。」
ヘイリーは続けた。
「仕事や家庭での問題、嫉妬、何から何まで。
 だからこそ、TLWがヒットしたんだと思うの。
 みんな同じだ、って、思ってくれたからじゃないかって。」

ダニエルズは言う。
「みんな、20代はずっと自分探しをするものよ。
 セクシュアリティーだって、当然自分探しには必要でしょ?
 ゲイでもストレートでも、、
 キンゼースケール(※)のどこにあたるとしてもね。」


TLWは、現代版Go fishであると言える。
90年代半ば、アイコン的存在であるこのインディーズ映画は、
ローズトローチとグイネヴィアターナーという2人の脚本家の名を世間にしらしめた。
それは、レズビアン達の生活-レズビアンであるとはどういうことかーだけではなく、
愛を捜し求める人間自体が描かれていたからだ。

「自分を表現してくれたと感じるときの気持ちは最っ高。」
ヘイリーは続ける。
「だから、この仕事に並々ならぬプライドを持ってる。
 参加してるってだけでわくわくしてくるの。
 TLWはワタシにとって、それだけ大きいものなの。」

「グイネヴィア(ターナー)に惚れててさー」
NYのヘイリーの家でGo fishを見たときのことを思い出し、ヘイリーは笑った。
ターナーはGo fishで主演のロマンチストを演じ、
TLWでは脚本家として、そして浮気性でくっついたり別れたりで、
アリスをうまく操縦するギャビーとして、TLWの数話に出演した。
(ちなみにトローチは、Go fishとTLWの監督を務めている。)

だがヘイリーが最初に見たレズビアン映画は、
ジェーン・ルールの小説に基づいた官能的なDessert Heartsだった。
「NYでビデオ借りて親友と見たの。それが夜のメインイベントでさ。」
ヘイリーは回想を続ける。
「2人でアイスクリームとか買いこんで、よし、見るぜー!!って。
 すごい衝撃だった、2人の女性のそういう場面、初めて見たから。
 今の私があるのは、あの夜のおかげでもあるんだ。」

TLWがレズビアンをテーマにした番組である以上、
カミングアウトにまつわる話にも、勿論焦点は当てられている。
それは誰よりも神経質で怒りっぽい、エリン演じるダナの生活に深く根ざすもの。
家族との関係、スポークスマンとしての生存の可能性など、
彼女がゲイであるせいで、危機に瀕したものは多い。

ダニエルズは、カミングアウトの是非で戸惑っていた実在のテニス選手、
マルチナナブラチロワを描写した役ダナを演じ、喝采を浴びた。
「彼女はとってもいい人だったわ。」
彼女はナブラチロワが支持するレインボー基金の募金運動の場で、
ナブラチロワに会ったという。
「彼女が使ったテニスラケットをくれたの。
 それでテニスして、って言ってくれて!
 それよりサインを!ってサインもしてもらっちゃった。
 2ndシーズンは出演してもらおうと思ったけど、無理で。
 彼女は出演したいって言ってくれてるから、3rdに期待してるわ。」

TLWのキャスト内で唯一、レズビアンとしてカミングアウト済のヘイリー。
役のアリスの様に、彼女自身にもカミングアウトにまつわる話はある。
退屈な話だ、と彼女は言うけれど。
高校で彼氏が数人いたヘイリーは、ある日親友に恋をしてしまった。
そう、その親友とは・・・女性だったのだ。
「理解できない気持ちが芽生えるまで、本当に仲良かったの。」
当時のヘイリーにとって、恋する気持ち=ゲイではなかった。
「変な話、母の親友がレズビアンだったのね。」
ヘイリーは続ける。
「彼女を"叔母"と呼んで育ってきて、"叔母"はいつも"彼女"を連れてた。
 母の友人、その友人彼女、、演技指導の先生は、いつも周りにいたの。」

「高校卒業後にNYに越して、気づいたんだよね、
 ずっと消えてくれなかった、親友への気持ちが、
 一体なんだったのか、ってことに。」
彼女は言う。
「内緒でゲイバーに行き始めたの。
 放課後1人で行って、どういうものか見極めてやる、って。」

そして、やっと彼女は両親に告げた。
「超怖かった。親が1番オープンにワタシを愛してくれてるって知ってても」
しかし今の彼女は、笑ってその話を続けてくれた。
「なぜってね、カミングアウトのせいで誰かを傷つけたり、
 がっかりさせていたかもしれない・・
 そう思ったら、怖くてしかたなくなっちゃって。」

ヘイリーの家族はそのことに何の問題もなく、
今でも変わらず仲がいいそうだ。
両親は今でも、ネブラスカに住んでおり、
ヘイリーは両親の家で毎年クリスマスを過ごし、
一緒にTLWを見ようと友人を招待すると言う。
「TLWナイト、みたいな。」
ヘイリーは続ける。
「ラブシーンはちょっと恥ずかしいけどね。
 TLWに関してどう思うだろう?って不安になったことは、1回もないかな。」


多くのTLWのキャラクターは不安定さを抱えているが、
ダニエルズは「完全に怯えきっていた」そうだ。
ダナ役として起用されるよりも前・・・
しかも、ヘイリーのせいだった、と言う。
「彼女は、すごくタフで怒りっぽそうだけど、どっかかわいい、みたいな。
 完璧に服を着こなしてて、"私なんかが話しかけちゃだめだ"って感じたの。」

一方のヘイリーはヘイリーで、同じ日にある不安を抱えていた。
オーディション前からずっと、監督のトローチとプライベートで話し合いをしていたが、
「ローズがビックリしちゃって。う、うわ・・・みたいな。」
ヘイリーは語る。
「いや、話し合いの最後に、"1つ言いたいことあるんだけど"って言われて。
 "何?"と言うと、"家に帰って、着替えてきた方がいいよ"って。
 その日のワタシはすっごい服着ててさ。
 真っ赤なコーデュロイのジャケットに、刺繍だらけのジーンズっていう。
 いつものファッションだけど、ローズは抑えた方がいいって思ったみたい」

一時間足らずで、ヘイリーは着替えて現場に戻った。
今度は、カッチリとした黒のスーツに、黒のスラックスだった。
「カンッペキにコンサバな格好してったの。」
彼女は言う。
「ちょっと面白いでしょ、 アリスっぽくなさすぎて。」

ヘイリーとダニエルズはそれぞれの役につくまで、
何度か他の役のオーディションをしている。
ダニエルズはまずアリス、そして精力家のベットを二回。
ヘイリーは、まずは女たらしのシェーン役を受けた。
「最後は、ワタシとケイトが残ったのよ。」
ヘイリーは続ける。
「もちろんケイトがとったけどさ。
 だって、ケイトってもろにシェーンじゃん!」

次にヘイリーとダニエルズが顔を合わせた時は、
二人はかなり和んでいたのだとか。
「パイロット撮影で、バンクーバーに向かってたの。」
ダニエルズは言う。
「即意気投合して、飛行機では隣同士でずっとしゃべってた」

1stシーズンでの、キャストとの撮影後の夕食会でも友情は育まれた。
そしてヘイリーとダニエルズの夕食は、2ndに突入した今も続いている。
「一緒のシーンが多いから、同じときに終わる事が多かったり、
 他のみんなが演じてるときに、私達は出番がなかったり」
ダニエルズは続ける。
「だからいっつも"レイシャ、今日はドコで食べる?"って、熟年夫婦みたいな感じ」
そしてスパ仲間でもある二人は、今日もマニキュア・ペディキュアを物色するのだ。

マーマーズの一員として、90年代のほとんどをピンク色の髪で過ごした、
ロッカー(ロックンロール)であるヘイリーは、
"ガーリーなファッション"については、ごく最近学んだのだと言う。
常にデザイナーの衣装に身を包んだ共演者と、多くの時間を過ごすためだ。
「みんな、すっごいオシャレなの。」と、ヘイリーは言う。
「今じゃワタシのクローゼット、ハイヒールばっかりになったの。
 いっつも買い物してるっていうか、することと言えば、それだけ。
 バンクーバーとLAで、ケイトとリサイクルショップに何回も行った。
 ワタシ達にとっては、特別な催しごとだったの。」
ミア・カーシュナー("純粋な"ジェニー役)も、ヘイリーの催す
"高級ブランドの不良品ショッピングの旅"に参加した事があるそうだ。

現在の恋人・ファッションデザイナー・TLWのスタイリスト、
そしてハリウッドのフレッドシーガルの取締役であるニナ・ガルドゥーニョから、
レイシャがファッションに関するアドバイスを受けているのも、頷ける。
過去のシンガーソングライターであるk.d.ラングとのスキャンダルのせいだろう、
現在のヘイリーはガルドゥーニョのことを聞かれても、
「ちゃんとしたお付き合いをしていて、愛しています」としか言わない。
そして、彼女は続けた。
「ワタシ、秘密主義なの。」

ダニエルズは現在シングルでストレート、そしてどうしようもない浮気性なのだとか。
(「カレッジに行った事のある女の子のほとんどは、女の子とキスしたことあるわよ」
  TLW以前に女性とキスした事は?と聞かれたダニエルズは、艶かしくそう言った)
彼女は、ストレートであると公言することに不安を抱えていたという。
しかし、今ではその手の話しをすることも、さして問題ではないとか。
「TLWのプレスをするってときになって、皆と言ってたの。
 "ねえ、もしストレートだって言ったら、皆ヒかないかな?"って。」
ダニエルズは続ける。
「ゲイじゃないからって、誰にも遠ざかって欲しくない、嫌って欲しくない。
 、、そう思うことって、視聴者の知性を疑っているのと同じでしょ。
 だから、これが私、私はこの仕事が好きで、ダナというキャラクターを愛してて、
 このTLWを愛してる・・・私が誰と寝ようと、それは変わらない、今はそう思ってるわ」


TLWの撮影がない今、ヘイリーは曲を書くことに時間を費やしたいのだという。
「むずむずしちゃってさ。」
今の感情を、ヘイリーはそう説明した。
しかし、今回はカレッジからの友人であり、マーマーズの一員ヘザー抜きで、だ。
「ワタシ達は、今も親友よ。」ヘイリーは言う。
「だからいつかまた一緒にやると思う。
 でも、自分1人で何ができるのか試してみたくて。」

ヘイリーはLogo、MTVの新しいゲイ番組にも加わっている。
ゲイの両親を持つティーンエイジャーのドキュメンタリー製作だ。
(番組出演をお考えの方は、teenswithgayfamiliesアットマークhotmail.comまで)

ダニエルズは製作と監督業に惹かれ、
名門である米国映画協会の監督コースに申し込んだ。
どんなプロジェクトを監督したいかと言えば・・・
「刺激的で、知性溢れる、おもしろおかしいもの」なのだそうだ。
「人生は、無視しとくにはもったいないほど面白いものよ」
そう言う彼女は、公共の場でユーモアのセンスを磨いているそうだ。
その機会は、日を追うごとに増えているのだとか。

「TLWに出てる人だって最初に気づかれたのは、スーパーでなの。」
("マカロニチーズ(※2)系"と彼女自身を表現している様に、
 彼女はいつも自宅から近いRalph'sで買い物をするそうだ。)
「エリックマコーマックがいつも買い物してるスーパーだと思うんだけど。
 ゲイ役のストレートが買い物する場所なの、そこって。」
彼女はそう皮肉った。
「レジの若い女の子が、私に気づいて、彼女の友達を呼んできたの。
 私は狼狽して、顔が真っ赤になって、とっても恥ずかしかった。
 それで、次第にもっと恥ずかしくなってきて・・ 
 だって、顔を赤くさせればさせるほど、恥ずかしくなるんだから」

「でも、彼女はとってもかわいかったのよ。」
今ではそこで彼女が買い物する度に、手を振ってあげるレジのコのことだ。
「彼女ったら、"ワタシにもファンができたー!"ですって(笑)」


(オマケ)-----------------------------
発掘される前の俳優達は、成功したときにまず何を買うかという事に思いを巡らせる。
ブランドのように島を買い、エリザベステイラーの様にダイヤを買う・・・

もちろん、レイシャ・ヘイリーとエリン・ダニエルズも、
ShowtimeのヒットシリーズTLWのメインキャストとなってからは、
湯水のごとくお金を遣ってきた。
しかし、アメリカ中央部出身で、地に足の着いた彼女達が、
自身へのご褒美として初めてのギャラで買ったものは、何とも質素な物だった。
(ヘイリーはネブラスカ、ダニエルズはセントルイス出身)

ダニエルズは、大金をはたいて新しいステレオを購入したのだそうだ。
「初めての、ちゃんとしたいいステレオよ。」彼女は続ける。
「買ってから2年で壊れる小さいステレオばっかり買ってたの。
 そろそろちゃんとしたの買わなきゃって思ってたとこだし、もうオトナだし、
 それに家もあるしってことで、サラウンドシステムのあるステレオを買ったの。」

実利を重んじるレズビアンのヘイリーが、
ギャラを手にして初めて買った物、
それは小型トラックだった。
「ずーっと、古い車に乗ってたの。」ヘイリーは嘆いた。
「で、その小型トラックは、乗った瞬間にちゃんと動いてくれるの。
 それが、稼いで初めて買ったモノ。
 ホントいい気分、オトナの自由を手に入れたって感じ。」


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※キンゼースケール:異性愛と同性愛を段階別に分けたもの。
              映画にもなった、あのキンゼー博士のものです。
              詳しくはコチラ

※2 マカロニチーズ:欧米ではかなりポピュラーな、インスタント?食品。
              安価だけど、ちょっと調理は面倒。だと思う。自分は。
              チーズパウダーをマカロニに混ぜて食います。
              言うまでもないと思いますが、太ります。
              言うまでもないと思いますが、キーの大好物でっす。
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by L-addict | 2005-04-19 12:23 | TLW
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